ARC ジャパンフォーラム2019 ― デジタル変革への取組み事例、サイバーセキュリティ

Submitted by Shin Kai on Mon, 06/10/2019 - 16:06

 

ARC は来る7月9日(火)に第21回ARC ジャパンフォーラムを、東京・両国KFC ホールで開催する。今回はそのプログラムから、デジタル変革を巡る取組み事例とサイバーセキュリティに関連する話題をご紹介したい。

「デジタル変革への取組み事例」(Session-2)

セキュアな産業クラウド接続を通じてIoT のサービスを実現する試みが様々な業種・事業分野で始まっている。 その一例として、高価なVPN を使うことなく安全・高速・双方向データ通信が可能なクラウドサービスへアナログ圧力計を接続することによって病院で使用する酸素ガス量を遠隔モニタリングするサービス事例をご紹介する。発表者は木幡計器製作所代表取締役の木幡巌氏とベルチャイルド代表取締役社長の藤田好邦氏。従来、病院で利用される酸素ガスは、ガス庫に設置されたボンベのアナログ圧力計を巡回点検し、残量を確認する事で交換作業が行われてきた。そこで両社は、医療施設の酸素ガスボンベ庫の配管に”IoT 圧力計”と”積算流量計”を取り付け、酸素ガスの使用状況と残量を遠隔監視する事で、ボンベのコンディションベース保全(CBM) を実現した。医療施設との接続は安全・高速・双方向通信を可能とする"iBRESS Cloud" を用いる事で、短時間で安価なシステム構築を実現し、これにより残量監視、緊急警報、ガスベンダに対する補充依頼を可能とした。これにより、ガス供給事業者は各病院のより正確な状況把握が可能となり、ボンベの配送効率が高まり業務改善につながっているという。この具体的な事例を通じて、IoT のセキュアなクラウド利用のポイントをご紹介いただく。

続いて、製造現場におけるデジタル技術活用とデータ連携の実現による次世代スマートファクトリへの取組み事例をご紹介する。発表者は、グローバルに横河電機の電気機械器具製造の役割を担う横河マニュファクチャリングの生産統括本部第3製造部生産技術課課長の遠藤真氏。同社では、早期から、データに基づいた次世代スマートファクトリの実現に向けて取組みを続けてきているが、この活動は装置稼働率の向上・保全費の削減・製品品質の改善を生み出している。遠藤氏の発表では、この活動を、IIoT/AI 活用の観点からご報告いただく予定である。

「サイバーセキュリティの進展と課題」(Session-3)

2月に米国で開催されたARC インダストリ・フォーラムでは、安全とセキュリティを巡って多くの議論が交わされた。デジタル変革やOT/IT 統合など新技術の製造現場への導入に向けた関心が高まるとともに、時に現状の事業モデルに対して破壊的影響を及ぼす新技術の導入と、製造現場における生産プロセスの安定性・信頼性の維持を如何にバランスさせるかが議論の焦点となっている。とりわけ2017年のTRITON (トライトン) によるサウジアラビアの石油化学プラントの安全計装システムに対するサイバー攻撃事件の発生以降、安全システムを如何にサイバー攻撃から守るかは業界の喫緊の課題となっている。安全システムの制御を失えば、プラントのオペレータは不測の事態に対してプラントを安全に停止させるための最後の手段を失うことになるからである。

この観点から、今年のARC ジャパンフォーラムでは、現在、IEC TC65/WG20 コンベナ、IEC TC65 国内委員会SC65A 国内委員会幹事で、ACSEC 分科会委員、ISA99 メンバーでもある横河電機マーケティング本部標準化戦略室専任部長の出町公二氏にご登壇いただき、国際標準の観点から機能安全とサイバーセキュリティの共通性および差異と関連性を踏まえたうえで、安全システムへのサイバー攻撃のリスク、機能安全とセキュリティ対策の連携に関する国際標準化活動についてご紹介いただく。

続いて、製造の運用技術(OT)分野における具体的なサイバー脅威対策ソリューションをご紹介する。発表者はトレンドマイクロのバイス・プレジデントで、昨年同社とMOXA が合弁で設立したTXOne Networks を率いるテレンス・リウ(Terence Liu)氏。最近のサイバー脅威と実際のインシデントを踏まえて、従来から企業ネットワークへ接続することを前提に設計されていない装置や機器をプラントや工場内に多数抱えるOT 環境における、最新で実用的な防御ソリューションの一例をご紹介いただく予定である。 

ARC ジャパンフォーラム2019 は、日本の幅広いオートメーション、インフラ業界の方々からのご参加を期待している。本プログラムの最新で詳細情報は下記URL の「ARC ジャパンフォーラムページ」をご参照いただきたい。
 

https://www.arcweb.com/arc-japan/arc-industry-forum-tokyo